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土地家屋調査士村岡事務所
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面白かった現場の話→略して『おも現』




■その12 測量現場で一度は経験する『アレ』,それは水道管の破損



先日,千葉県船橋市の現場で境界標の埋設をした際に,別の箇所で境界標設置をしていた補助者が

トボトボ歩いてきて,背後から

「先生すいません・・・水道管やっちゃいました・・・」

申し訳なさそうにうつむいて報告するではないか,

私は「あらららぁ・・・やっちったのぉ〜」と返事をしつつ,冷静に腕時計で事故時刻をチェック!

(16時35分か・・・やっぱりなぁ・・・よくやるんだ・・・この時間帯・・・)

私も経験上このような境界標設置の際に水道管を破壊してしまう事故は,この時間帯が一番多いと

知っていますから,さほど慌てる事も無く,「おーい!作業車からシャコ万(まん)持ってきてぇ!」と

補助者に指示をしたのでした。

ところでこの『シャコ万(まん)』って何かご存知ですか?

実はシャコ万とは水道管の破裂の際に一時水道管をはさんで,水を止める応急処置の工具

『シャコ万力(まんりき)』の略なのです。

                   (↓私が左手に持っているのが『シャコ万』)

シャコ万を持つ所長


 実はこの工具,水道屋さんや土木工事業者が使う専門工具なのですが,私も過去の苦い経験から

常備するようになったのです。

それは若き日のクリスマスイブの夕方,葛飾区の現場での事故がきっかけでした。

(この境界標入れたら今晩はクリスマスパーティだぜい)と勢いよくスコップを突き刺した次の瞬間!


ガシュ!ボボ・・・という


なんともいえないあの『嫌な音』とともに水が溢れ出てきたのだった。

「あぁぁぁ!やってしもうたぁ!どうしよう・・・」しかし,当時応急処置道具『シャコ万』を持っていな

かった私は,水道屋さんが到着するまで何もできなかったのでした。

 これは経験者しか理解できないと思うのですが,この水道屋さんが到着するまでの時間は本当に

長く,ツライ時間なんですよね・・・

実際に水道管が破裂しますと,20坪くらいの土地ならばミルミル水が溜まって,

すぐ『池』を形成してしまいます。

すると通行人やら近所の小学生のヤジウマがどんどん集まってきて,とても測量作業どころでは

なくなってしまうのです。ホント『穴があったら入りたい・・・』という心細い気分になります。

この時に現場に来た水道屋さんがこの『シャコ万』を使って,すぐに水を止めたのを見て,

「これだ!これがあれば水道屋さん到着まで,心置きなく測量が出来る」

と思い,サラリーマン時代の部下の水道屋さんに頼んで,この『プロツール』を手に入れた次第です。

 ↑やっぱ境界標埋設にはダメコン用『シャコ万』と水道屋さんに管径を知らせるための『ノギス』は
   土地家屋調査士の必須アイテムですよぉ〜・・・って,こんな調査士私だけかも・・・

シャコ万でダメコン成功

             ↑シャコ万でダメコン(ダメージコントロール)成功の図

水道屋さん登場

                    ↑ほどなく『プロ』の水道屋さん登場!

水道管復旧の図

                ↑無事復旧!めでたしめでたし・・・


私がシャコ万を買ったのを知った,ゼネコン上がりのある土地家屋調査士さんが,会合で私に向って

「村岡事務所って,シャコ万常時携帯してるだって?壊すの前提するとは,すごい事務所だねぇ〜」

なんて,半分冗談めいて呆れられた事もあったけど,

「おいおい危機管理能力と言って欲しいもんですな」(笑)

でも多分,日本でシャコ万を常備している土地家屋調査士なんて私ぐらいじゃないかなと・・・

それにしても,あの水道管壊した時の音とか、水が噴出す感触・・・嫌ですねぇ・・・

しかし『測量人』である以上,これは避けられぬ『試練』だと思いますが,いかがでしょうか?





■その11 都内の測量現場でタヌキに遭遇!

先日大手仲介会社から東京都東久留米市で30坪程度の境界測量の依頼を受けました。

この物件は東久留米市の住宅地でしばらく空家になっていたのですが,境界標を探すために

ブロックの隅を掘っていたら,近くでブルブル震えている草がある。

んっ?と思ってのぞきこんでみたら・・・・

な!なんとタヌキが2匹いるではないかぁ〜!

しかもまだ子タヌキ,かわいいなぁ・・眺めながら測量していたのですが,境界を探すためにブロックを

砕く音に驚いて1匹は逃げていってしまいました。

小平市測量現場のたぬき遠景


しかしまだ東京にも野生のタヌキがいるんですねぇ〜

この現場はちょうど小平市と東久留米市の市境で,私の事務所より車で10分程度の場所です。

過去このコーナーではツル→蛇→猫の動物達や,変なオジさん→上にヤのつく自由業の方

と色々な出逢い(遭遇)がありましたが,あらたにタヌキが加わる事になりました。

さてさて,次の現場ではどんな出逢い(遭遇)があるのでしょうか・・・今から楽しみ・・いや憂鬱です。
追伸
この撮影場所については業務の関係上一切お答えする事はできません。





■その1 ツル園敷地設計測量

先日家族で多摩動物園に行ってきました、
ここは私が測量会社に勤務中よく測量した現場でもあります。

 帰宅してから「そういえば色々測量やってきたなぁ」と思いまして。。
今回は紹介しても差し支えない『笑える』
現場だった多摩動物園をご紹介してみようかと。。

 もっとも印象に残っているのが
「ツル園の測量」でしょうか、ツル園の老朽化による改修工事用の現況測量を
するのですが、ツル園の中つまり、ツルを飼育している檻の中で測量をするのです。

作業前に飼育係の方から注意事項の説明がありまして。

 飼育係 「ツルは今発情期で自分生活エリアに見慣れない人間が入ってくると、
       威嚇してきますのでまずこのホウキをもって入ってください」

 私 「はっはい・・・」

 飼育係 「もしツルが近くに来たらこのホウキをバトンのように振り回して下さい」

 私 「えっ・・でそのあとどうすればいいんですか?」

 飼育係 「そうですねぇ・・まぁしばらく振り回してれば大丈夫ですから」

 私 (えっ!?何がどう大丈夫なの??)

とひとしきり説明が終わり飼育係の方とオリ入ろうとした瞬間

 飼育係 「あっ、もう来たナ、ほら見てください1羽こっちに向って歩いてくるのがいるでしょう。
       ツルは普段あんな歩き方しないんです、普段とちがう人間に気が付いて

     測量士さんを威嚇しに向っている歩き方なんです。
       
       
       それでは気をつけて作業して下さいね」といって掃除に行ってしまいました。

 私 (えっ!おいおい行っちゃうのかい!?)

 仕方がないので、ホウキ片手におそるおそる杭を打ち込み、測量器を据え付けることに、
据え付けは片手でできないのでホウキを地面に置き、据え付けに熱中していたら、

何やら妙な気配がっ・・・

顔をあげると。なんとツルの、でっかいくちばしが目前に!うおっ

「測量士さーん!ホウキー!早くぅー」

っと飼育係の声が遠くから聞こえ、あわててホウキを振り回しました。

 でもツルはひるまず一定距離を保ちジーツっとこっちを睨み続けているんです。
怖いし、デカいんですよ近く見ると・・・

 しかも目が左右、平面についているためなのか横顔のままで顔をグググーっと
数回顔を私に近ずけてくるんです。あのどこ見ているかわからない瞳で・・・不気味っ!!

 結局しばらく睨み合いが続きましたが、器械から離れないので、
仕方が無くホウキをふりまわしながら観測しました。

 平日でお客さんは少なかったですが、檻の中でホウキを振り回しながら測量する私を観て
子供が「あのおじちゃんホウキ振回して何してるの?」なんて母親に訊いてたりして・・・
まいったなぁ
それにしても最初は目ん玉くりぬかれるかと思った。

 でもさすがに2日目からは『コイツは敵ではない』と認めくれたのかどうかわかりませんが
何もして来なくなりましたがね・・・けっこうかしこい奴でした。

 その後測量は順調に進み竣工後の新ツル園を見て、
当時この仕事にやりがいを感じたものです。
 
 あれから20年。
今回子供を連れて見に行ったツル園はまだまだ現役可能でしたが
それなりに経年変化していました、
次の改修工事はどんな人が「ホウキ測量」することやら。





■その2 現場で赤ワイン


今から20年近く前の真冬に官公庁の仕事で水路の測量をしていた時の話です。
水路と言っても三尺幅(90.9cm)長さ約150m程度の測量で境界を確定するため
隣接する地主さんと立会して境界確認の承諾印を得る仕事でした。

 この現場の近くにちょっと変わった70歳前後の『おじいさん』が住んでいて
毎日2時くらいになると、ランニングと短パン姿で登場し「エイホ!エイホ!」と
大きく妙な掛け声でジョギングに出かけるのです。

 なにせ真冬ですから、こっちは防寒服を着て仕事をしている状態だったので
いやぁ〜元気なおじいちゃんだナ…と思いましたが、反面
ちょっと…大丈夫なのかなぁ?心配だなぁ(色々な意味で)という感覚で毎日見てました。

 毎日その現場でスットンキョウな掛け声が聞こえてくると笑いを抑えるのに必死でした、
いつしか私たちは『マラソンじいちゃん』とネーミングをしていました

 そんなある日いつものように測量していたら、

「ふぉ〜ぉぃ!キミタチぃ〜!」という声が聞こえます。

 振り返るとその老人の方がいつものランニング短パン姿でトレイに何かをのせてこっちに向って
くるではありませんか、トレイの上には赤い飲み物が入ったグラスがふたつ…

 お爺さんいわく
「いやぁ〜毎日あなた方の仕事ぶりを見させてもらいましたよ…
私はねぇ〜若い人たちが働いている姿を見るのが大好きなんだよぉ」

「これはね、私が健康のため毎日飲んでるものだよ、
さ・さ・グイッと飲んでごらん体がポカポカになるよ」
っと『赤い飲み物』を勧められました。

がっあまりにも唐突な差し入れだったので、この時ばかりはこまった…マジにこまった

 一見赤ワインにも見えるが・・・何だ!?この液体は・・・?

飲んだあと「これはね・・ヘビの生き血なんだよ・・・」なんて言われたらどうしようかな。

まさかねぇ・・タイガージェットシンじゃあるまいし・・(※1)
(しかもこの現場付近はヘビがウヨウヨいるのであった。)

さりとて下手に断っても悪いかなぁ…よっ!よし…直接きいちゃお…

 私 「あのこれ…この飲み物は何ですか?」っと汗だくの笑顔で質問したら

 お爺さん 「私も毎日飲んでるものじゃよ・・ハハハ」

 私「あのぉ・・そうなんスすか(はぁ〜会話噛み合わないしぃ…)

 そしたら横にいた同僚のK君が、「そうスか、そんじゃあいただきまーす」(ヒョエー!)
っとグイッと飲んでくれたのでK君に聞いてみたら「赤ワインみたいっスよ」と教えてくれたので、
私もいただきました。

 我ながら姑息かなーとも思ったりしたけれど、真冬の水路でランニングに短パン姿のお爺さんと
男同士でグラスワインを飲んでる光景って一体・・・

 いまでも冬になると思い出す思い出す笑える現場です。
当時私は22歳でしたので、この突然の差入れにドンビキしたわけですが、
最近になってこの方がおっしゃっていた事がわかる気がするんです。

 やはり若い人が働いてる姿を眺めるのっていいかもしれないな…
自然と嬉しくなるのかもな…と素直にそう思います(まっ齢とったって事ですね)

若い方が働いてるのを見かけると、この業界、また国の発展を願わずにはいられないのかも
しれませんね。

 ※1タイガージェットシンとは70年代後半から80年代中頃まで、よく来日した悪役プロレスラーで
    『インドの狂虎』と言われターバンを巻きサーベルを振り回すアブドラザ・ブッチャーとコンビの
    『あの』悪役レスラーである。
    いつもコブラの生き血を瓶に入れて持ち歩き、試合前にガブ飲みするといわれている。




■その3 現場でコイツが許せない!!PART1

だんだん梅雨に近ずいてきましたが皆様いかがお過ごしですか
私はこの時期に許せないものがふたつあります。

 それは『ヘビ』と『ゲリ』です。
今回はヘビについてブツブツとひとりごとを・・・

 しかしどうしてあんな生物がこの世に実在するのでしょうかね〜?
測量現場ではヘビは避けられない相手であり私の最大の敵であります。

 そもそも私が苦労して『土地家屋調査士』の資格を取った理由のひとつに
測量士業務は未整備の水路等での作業が多くヘビとの遭遇も日常茶飯事だった
ので少しでもヘビから遠ざかりたいというのも少なからずあったくらいです。

 しかし、開業した以上「ヘビがいるから測量できません」なんて言えるわけもなく、
山林原野、農耕地区の測量依頼にはいつも緊張しておりました。
しかしついにXデーがやってきてしまったのです。
その現場を見てヘビ嫌いの私はすぐに『やばい!』と直感しました。


 臭うんです!漂っているんです!・・ヘビ臭が!・・


これは作業着手前に『ヘビ情報』を収集してウラをとらなくては・・・と思い依頼主の地主さんへ
「あのぉ・・ここってヘビいますか?」引き攣った顔でと尋ねると地主さんいわく

「えっヘビ?あんまりいないよ」とのこと

(えっ!?あんまりいないってどうゆうこと?いるのか、いないのかはっきりしてくれ〜っ!)
かなりヨワったけど同じ質問を繰り返すわけにもいかないので
今度は隣の地主さんにも同じ質問を試みる事にした・・・すると期待に反してこれまた

「あんまりいないねぇ〜」

となんとまったく同じ返答であったので、さすがにこれでは落ち着いて作業できないので、
「その最後にヘビを見たのは何時ですか?」と尋ねると、大体2年前だと言う、

「まっ2年前なら大丈夫か・・」(何がどう大丈夫なんだかよくわからないのだが・・・)

と勝手に思いこみ測量を開始したのでした、予想に反してヘビは出てこなかった、
「やれやれ私の取り越し苦労だったか・・」っと立会いも終わり最終工程の
境界杭を埋める時に地面にしゃがみこんで、穴を掘ろうと顔を近ずけた瞬間、

手の先にニョロ〜っと!ヤマカガシが出てきたのです!

「ぎゃーっ!!ぐおーっ!!」
と大声を出した後しばらく動けませんでした。

 近くにいて測量器で観測している補助者に聞いたら、測量器の前をニョロニョロと通過し、
私に向っていったとのこと。

「だったら教えろよ!!!俺がヘビ嫌いなの知ってるだろー!!!」と怒鳴ると

「すいません今後気をつけます」って言っていたが(コラコラ目元と口元が笑ってるぞー!)

 罰として彼にその場所の作業をやってもらいました。
(だってしばらくして舞い戻ってきそうで怖いんだもん・・・)

 しかしどうしてヘビっては鳴かないんでしょうかね、
落ち葉の上をヘビが移動するあの『カササ・・・』という音を聞き取るしか
予防の手立てがないなんて・・本当にヘビは許せない!

 しかし古くからヘビは土地の守り神という伝説があるのも事実です。
分筆の測量とか土地の処分の時にはやはり、守り神としておでましになるのか
それとも「シッカリ測れよ」と気合を入れに登場するのか、どうかわかりませんが
測量にヘビはつき物なんです。
・・っと体よく文章をまとめみても、ああっ!やっぱり許せん存在である。





■その4 『とんぼ』な現場

8年ぐらい前に某大手ハウスメーカーからある田舎町の土地の分筆登記を依頼され、
町役場と道路の境界立会をする事になりました。

 道路や水路といった幅の決っている土地の境界立会というのは向三軒両隣の地主さんを呼んで
行うのですが、道路を挟んで向かいの土地の登記簿を調べたら『譲渡担保』によって所有権を移転
した個人名の地主さんがいました。

 この『譲渡担保』という登記は、ある人がお金を借りる際に先に担保の土地の所有権を
先に移転してしまう登記で、言うなれば「お金を返してくれたら土地は返しますよ」という登記です。

 一般の方は今の説明で「ふ〜んそうなのかぁ・・」程度にしかお感じにならないかもしれませんが、
我々プロからすると、譲渡担保に関わらず、個人名の抵当権者という事だけでも、
「もしかしたらこりゃ怖い人かもしれないなぁ・・」と直感するものなんですよね。
大抵、譲渡担保で個人名で所有権移転している所有権者さんは
『コワモテ系金融業の方』が多いですね。

 今回の所有権者の住所も当然現場付近の田舎なんかじゃありません。
『いかにも』という所です。

 色々考えた挙句とりあえず立会願を出してみる事にしました。
それから3日後に秘書と名乗る方から電話が入り立会に来ていただける事になりました。

 立会当日、隣接地は全員農家の方で立会前の10分ぐらい前から集まっていただき楽しく雑談を
していました。町役場も到着してあと残るはその方のみ、間もなく定刻になりかかったその時、

遠くから悠然と車が一台・・

うおっ!黒のベントレ〜!(※1)

私の頭の中で長渕剛の『とんぼ』が流れはじめました・・・

 皆がキョトンとしている目の前にキッ・・と止まった瞬間、ダッとの如く若い人が二人降りてきて
サッとドアをあけると。

             「あ゛・・どーも・・・」

 とドスのきいた声でスキンヘッドにサングラス、中肉中背だがスーツの上からも筋肉質とわかる
体型の地主さんがおりて来ました。(うわー喧嘩強そうだなぁー)

             「じゃあ測量屋さん説明して下さい」

と言われ、たばこを口にした次の瞬間!若い人が『カチッ!』っとライターで火をつけます。
(素早いんだコレが・・ヤクザ映画のまんまだぁ〜なんて妙に感心してしまった)
ひとしきり説明すると
             「うむ・・わかりました」

と納得していただくと、他の地主さんへ向って

    「あ゛〜お集まりの皆さん方ネ・・この測量屋さんの説明どおりに納得しましょう」

「こうゆう時はネ・・相手の費用負担で測量してもらった方が得なんですヨ」


と他の地主さん達に説明しだしたのでした。

(へぇ〜さすがに体で法律を覚えてきただけあって良く知ってるじゃないこの親分さん)
なんて感心して眺めていたら・・・

『ギロりッ!』と急に私の方を振り向いて・・(ドキッ!えっ!なになに?なんだよう・・・)

「そうだよなぁ・・測量屋さん・・(ギロッ)」
 
 
(あのォ・・まとめてもらってありがたいのですが、コワすぎなんですけど・・・)

 ここでまたタバコを口に・・・するとまた若い人がライターでカチッ!
「ハンコの件は秘書に話しておくからサ、書類は郵送しといてヨ」
といってベントレーで帰っていきました。

 時間にして15分ぐらいだったと思うのですが、緊張しましたねぇ〜
でも若い人がライターで火をつけるたびに他の地主さんも町役場も全員が目で追うので、
まるのテニス観戦の観客のようで笑いそうになってしまった。

 後日ハンコもキチンと押していただきまして無事測量は完結することができました。
結局こうやって実務というのは体で覚えていくんですね。

 冒頭で『このテの登記はコワ系の人』と直感で感じるいうのは以前にも同じ経験を
しているからでして、今回もやはりそうだったなぁ・・とデータとして蓄積されていきます。

 この業界長くやっている人にはかなわないといいます。
集客力だけじゃなくでノウハウの蓄積だけでも『一日の長』ということでしょうか。

となると調査士として来年は10周年、もうそろそろ花が咲いても良い頃だと思うのですが・・・

(※1ベントレーとは『走るマンション』といわれる高級外車の事)





■その5 現場でオクラホマ・ミキサー


みなさんがよく道路等で測量の作業を目にした事があると思いますが、
しばらくするとそこに誰もいなくなってませんか?

 測量の作業というのは、ずーっと同じところで観測していないのです。
わかりやすく説明しますと、例えば四角形の土地を測る場合は、土地の四隅に
移動して境界が測量器から見える位置に順次移動していくのです。

 これを測点移動とかトラバー移動とか測量の種類によっては『ターニング』ともいいます。
測点の移動は重い測量器やその他の道具も全部移動するので結構大変です。

 今回はある現場でこの測点移動の時の話です。
測点移動のため機材をもって歩いている私の目前に一匹の猫がいました。
この猫どうゆうわけか、私が近ずくとだんだん様子がおかしくなってきて、
1.5メートルぐらいに近ずいた瞬間!「フゥーッ!」っとすごい勢いで威嚇してきたのです。

 みなさん外で猫と一対一で睨み合ったことありますか?怖いですよ〜ホントに・・・
私はというと片手で測量器、肩に三脚を担いでますから両手が使えないわけで、
(こりゃあ勝ち目がないなぁ・・)と考えすごすごと一旦バックして三脚を地面に置いて再度その道を
行くと、またその猫がデーンと居座って「フゥーッ!」っと威嚇してくるんですね。

 なんでコイツこんなに怒ってんだろう?っとふと横をみたらなんと『えさ皿』が・・・
「あのね・・私はあなたのエサ食べたりしませんよ」っと言葉をかけても、あいもかわらず
「フゥーッ!」今にも飛び掛ってくる勢いです。
この猫、ある一定のラインから一歩でも入ると「フゥーッ!」っと威嚇してくるし、これに反応して

一歩さがる
「なぁ〜ごおぉぉぉん!」


と泣き声を変え『臨戦態勢』に移行したりして、なかなかしたたかなヤツです。

 私も重い器械持ちながら、ポールで突っついてみたり、こっちも「か〜!」なんて吠えてみたり
色々やってみましたが効果がなく、一歩前進んで、驚いて一歩下がってを2〜3回繰り返してました。
これじゃあまるでフォークダンスの『現場版オクラホマ・ミキサー状態』です。
前の測点で器械の到着を待っている助手が不思議そうにこっちを眺めているのがわかります。

 さすがにこれでは仕事にならないので、考えた挙句、最終兵器はやはり『飛び道具』しかないと
考え、意を決し近くにあった小石を投げたところ、これが功を奏してなんとか測点にたどりつく事が
できました。
(どーだーまいったか人間様は強いんだぞ!っと心の中で小さくガッツポーズ)

 この瞬間小学生の頃担任の先生に
「石投げは原始的な行為だからそんな遊びをしているヤツは原始人と同じだぞ!」
っと言われた事を思い出しました。
投石を止めさせるために当時先生が考えた言い回しだったのかもしれませんけど、
結局大人になっても、この原始的な方法でしか猫退治できなかったとは・・・
でも結局ここから派生して人類は『銃』というもの考案したんだろうなぁ〜なんて考えたりして・・
スペースシャトルで宇宙に行く現在、科学は進歩しても
人間の本能ってのはあんまり変わんないものかもしれないなぁ・・と再確認した現場でした。





■その6 アルバイト君のはなし

 おかげさまで今は補助者(業務を補助する人)がいる事務所になりましたが、
以前は日雇いの学生アルバイトを使ってよく測量に行ったものでした。
バイトの学生を使うと、妙にデキル人と逆にカンの悪い人がいるものです。

 バイト君の主な仕事は金属性の測量ポールに反射鏡(ミラー)をつけたものを私が指示した
ポイントに立てて測量器で角度と距離を測るまでジッと動かず待っている事です。
                (この写真のように↓)

測量風景 ピンポールを持つ状態


 測量器から光波(光の波)を飛ばして、ミラーから帰ってくる光の時間を計算して距離を算出する
ためにミラーは観測中は常に測量器の方に向けなくてはなりません。

 また、測量器より低い位置の地中の境界標の上に立てたりする事が多いので、
観測のつど、ミラーの上下角を調整しなくてはなりません。

 ミラーの上下角で調整が必要な時は私からミラーをもってるバイト君へ指示します。
例えばミラーを上に上げたい時は「ミラーのアタマを上げて」と指示し、
その逆は「ミラーのアタマを下げて」と言って指示を出します。

 それがだんだん馴れてくると「アタマ上!」「アタマちょい下!」という感じの
現場口調に変わっていきます。

 また左右のズレは、「時計回りにまわして〜」「反時計回りにまわして〜」なのですが、
これも馴れてくると「ちょい時計ねぇ〜」とか「気持ち反時計!」と現場口調になるわけです。

 あるバイト君にこのミラーの操作を現場で説明して「わかった?」とたずねたところ
「ハイッ!」と元気の良い返事(おっ!なかなかデキる奴なのかな)っとちょっぴり期待して・・・
それじゃさっそく始めよっか・・・と一点目の測量点にポールを立ててもらいました。

 測量器の望遠鏡で視準するとミラーの上下角が合っていなかったので、
さっそく説明したとおりバイト君に

「お〜いアタマ上げてぇ〜」
っと測量器を覗きながら叫びました
・・がミラーに触ろうともしません。
(あれっ!?聞こえないのかな・・・)っと思って

「オーイ!アタマ上げんだよー!」

とさっきより大声で叫んだのですが・・・望遠鏡を覗いても変化なし・・・
(あれれれっ???どしちゃたの?)すると、バイト君の方から・・・

「ハアハア・・まだダメなんスかぁ・・

もっもお・・くっ・・苦しいんですけどぉ〜!」



と何らや妙なうめき声が聞こえてくるので、えっ!?と思って望遠鏡から目をはずして彼を見たら、
なんとポールを持ったまま空を見上げて悶絶しているではありませんか!

 一瞬何が起こったのか理解できなかったのですが・・・そうです、
彼はミラーのアタマを上げるのではなく


自分のアタマを上にあげていたのでした。

・・・・・ガクッ!・・・(おいおい)

 次に水平位置も合っていなかったので、今度は「はーい時計回りにまわしてぇ〜!」っと叫んだところ
『すっ』とミラーが時計回りに動いたので(あっ今度は大丈夫だな・・)っと思ったらそのまま止まらずに

グルン・・グルン・・グルグルグル・・・・・とミラーが時計回りに『回転』してるではありませんか!

「君ねぇ・・ドリフのコントじゃねぇーんだよっ!」

っと心の中で叫びつつも「さっ・・さっき君『ハイッ』って返事しなかったっけぇ・・プルプル・・」と
教えながらまったく色々な奴がいるもんだなぁ・・・と思いましたね。
一日の仕事が終わって

 「あの・・ボク測量の仕事向いてるみたいなので今後も使ってくれませんか?」と言ってきたので

 「本当にありがとう、でもしばらく現場はないから残念だけど・・・」と丁重にお断わりいたしました。

そんなわけでその日の測量は『いかりや長介状態』でとっても疲れましたので、
心の中で「ダメだこりゃ・・・」とつぶやいたのは言うまでもありません。


 その日の夜ずっと悩んでいた求人広告出す決心をしました・・・
ふんぎりつけてくれてありがとねアルバイト君
おかげさまで今では優秀な補助者にめぐまれました。めでたしめでたし






■その7タマらん現場

ある現場に、変わった地主さんがいらっしゃいました。
その方というのは測量を頼まれた土地のお向かいさんの地主さんなのですが、
家を一目見た時から、「うわぁ〜この家の住人は大変そうだなぁ〜」と思ったのです。

なぜかというと、よくテレビでゴミの屋敷といった、いわゆる近所にご迷惑をかけている家だと
一目瞭然だったからです。

 この場合はスズメ屋敷だったんですけどね・・・リアル版スズメのお宿・・・といったところ
この地主さん、独り暮らしの寂しさをまぎらわすためか、毎日スズメに餌をやるものだから、
糞の被害も大変で、ご近所の方もあからさまにスズメよけの銀紙の吹流しを窓に貼り、
「お宅で迷惑してますっ」といわんばかりにしているのですが、当の本人は全然おかまいなしで
毎日2階ベランダから餌を与え続けているのです。(どうしてこうなっちゃうのかしらね・・・)

 私もこの地主さんから、境界確認のハンコをもらわなければならないのかと思うと

かなりモチベーションが下がりましたが・・・

とりあえず測量着手のご挨拶にお伺いしました。

 しかしこの地主さん、家の中にいらっしゃるのは確かなのですが、
何度呼鈴を鳴らしても出てきてくれません。仕方がないので、餌やりの時に挨拶するしかないと考え
、測量しながら餌をやりに出で来るタイミングをうかがっておりました。

 しばらくしてガラガラ…と2階ベランダの窓を開ける音(ハッ来たッ!)
と振り返ると、ランニングにトランクスの上下とも下着姿、年齢は70際ぐらいの地主さん登場!!
想像はしていたけれど・・・(すごい格好だわ)と思いつつ、「こんにちは〜」と挨拶すると

「なっ!なんだチミ(君)はっ!?」
と驚いた様子でしたが、話を聞いてくださいました。
(この時点でへんなおじさ〜ん♪へんなおじさ〜ん♪と頭の中で鳴りっ放し・・・)

しっ!しかーし!・・・この地主さんは2階のベランダから私達と話しているので、下から見あげると
パンツの隙間から・・・ぶらぶらした、おいなりさんというか、ミートボールがモロに見えるのです。

 見上げてごらん〜♪(by坂本九)ムリムリ・・・とても無理

こればっかりは同性でもちょっと見たくない・・・
(やっぱり痴漢とかセクハラって暴力なんだな・・・っと再認識しちゃった)


 また何度お伺いしても、近所の方との日頃のトラブルがあるせいか、同じ目線で話はしてもらえず
2階ベランダの餌の時間でしかお会いできません。話す距離もあるしお歳でお耳も遠いものだから、
どうしても、話す声も大きくなってしまう。その結果行くたびに、ぶらんぶらんさせながら

「俺は絶対に立会わんぞ〜」なんて怒鳴りあいのような会話になってしまう。

 しかもこのベランダ、私がいる道路から2階の地主さんに向って話しをすると、角度的にちょうど
『ミートボールおいなりさん』と地主さんの顔が同じくらいの大きさに感じるんですよねぇ・・・
だけどこの方、どうしていつも、下着姿なんだろ・・・

 こっちも真剣な顔した方いいんだか、笑っていいもんだか、
なんだかだらしない顔になってきちゃって・・・
頭ポリポリかいて話したり、首筋さすりながらチラチラ見上げながらお話ししたりして、ヨワったなぁ
本当にこの地主さんにはまいった、まさしく『タマらん(乱)現場』でしたね。

 えっ?その後この現場の境界確認はどうなったかって?
そりゃあちゃんと立会って、無事キッチリ確認していただきましたよ、
下着姿じゃなく普通のカッコでいる買い物帰りにぶらぶら歩いているところを
タマタマお目にかかれた時にね(笑)おあとがよろしいようで・・・
めでたしめでたし、うわぁ・・・今回は下ネタ連発になってしまった。






■その8 ライトアップ事件、気分はそう・・・『職質』

最近は日も短くなりまして、外での作業時間も短くなり思うように作業が進まずイライラするものです。

こんな時期になると必ず思い出す現場があります。

『土地の境界がわからなくなった』という依頼で現地にお伺いしたのですが、境界標を探したり、

その後隣地の方との立会いで時間がかかり、すっかり日も暮れてしまったのですが、

翌日にはその部分の外構工事が予定されているため、懐中電灯をもとに測量していたのでした。

(ちなみに私は日が暮れてまで測量していると、どうもダンドリが悪い事務所に見られる気がして
嫌なのですけどね・・・)

それを見た依頼者の奥様が、

「あらぁ〜まぁ〜こんな時間まで大変なのねぇ〜私が懐中電灯を持ってあげるわ。ささ」と手伝って

いただけたのですが、なんと・・

『ずーっと私の顔を『ギンギン』にライトアップしているんです』

測量をする時は測量器の望遠鏡で目標物を視準するので、目標物を照らしていただきたいのですが、

(うぅぅんこれは困ったなぁ・・・でも作業が進まないので言うしないな・・・)と意を決して

「すいません、できましたら目標物の方を照らしていただくとありがたいのですが・・・」というと

「あら、やだっ私ったら、そうよねぇ・・ホホホ」っと目標物側にまわったのですが・・なんと目標物から

またまた私の顔をギンギンとライトアップするんです

(いやっ・・だからそのぉ・・弱ったナァ・・・これじゃあ肝試しの幽霊役だなー)と一瞬思いつつ、

観測するにも、器械に向ってライトアップしているので全然ピントが合わない状態なので

何点か必死に視準した後に

「おかげで作業が進みました、あとは私達で測量しますので、ご自宅でお休みになって下さい」

と丁重にお断わりしたところ、

「そんな遠慮なさらないで、今日無理に来ていただけたのですから、主人に叱られますから」

「さっ続けましょう・・・」とさらにギンギラギンに顔面ライトアップ(え゛っマジすか?)

「いえいえ、もう本当にお気持ちだけで・・・(汗)」と『しどろもどろ』な会話になって、どんどん時間が

経過していくのであった。これぞ我が事務所の「ライトアップ事件」である。

しかしライトアップされるとどうも、『しどろもどろ』になってしまうあの感覚・・何だか昔も同じ事が

あったような・・・と帰り途で考えたら思い出しましたよ『警官の職務質問』いわゆる

『職質』ってヤツを!高校生の頃はただバイクで走っているだけなんだけど、よく停めさせられて

「ちょっと免許証見せて・・」から始まって毎度毎度懐中電灯で人の顔ライトアップしてこの問答・・・

「こんな時間から高校生がどこ行く!今晩お祭(暴走族の集会)だろ?」みたいなね、

こんな経験からかどうもライトアップされると動きがぎこちなくなるのは私だけでしょうかねぇ・・・






■その9 『豚に真珠』事件


ひょんな事から23区内の某所でファッションブティクを経営していた方から、

「もう歳なのでブティクの土地を半分分筆登記して家を建てたい」という依頼がありました。

 このオーダーからして現場作業一日でオシマイという内容ではないので、毎日真夏の炎天下汗だく

になって境界標を探したり延々と測量しているので依頼者の方が数度冷たい飲み物をさし入れて

くださいました。そんなあるお茶タイムの時に奥様が5〜6個のバックを手にとって

「昔はよく海外に行ったけど、もう行く事も無いと思うから、ここにあるバックもらってくれないかしら?

全部差し上げるから奥様にいかが・・・でも趣味が合わないかしらね」とニコニコと言われました。

(しかし正直女性モノは妻の好みもあるしなぁ・・・)と戸惑ったのですが、私はこのようにお客様や

目上の方あるいは先輩から身に付ける類のもらい物も申し入れがあった場合は、よほどの事が無い

限り多少無理をしてでもありがたく頂戴するように学生時代からキッチリ山岳部で『教育』されていた

ので(「押忍!先輩ごっつあんです!」のあの世界感ね)なにか使えるものがないかと物色してみると

、ひとつだけ、やたら頑丈そうな男女兼用でもおかしくないバッグが目にとまった。

縫い目を見てもとてもシッカリした縫製だと一目でわかったので、とても良い作りだと思い。
(こりゃあ古くなっても現場用の木杭袋にも使えるから私にも最適だ)と思い

「では・・・これだけ頂戴いたします」といってこのバックのみいただいたのでした。

 それから数ヶ月後このバッグである団体の研修旅行に行ったのですが、

宴会の二次会で部屋でにいたコンパニオン達から

「ねぇ・・ちょっとォ・・・そのバッグ誰の?」と言うので、

「俺のだけど?このバッグがどうかしたの?」と尋ねたら

「ねぇ・・・それ私にくれない?チョーダイっ!チョーダイっ!お願い」と言いだしたので、

「だめだよバッグなくなったら俺明日どうやって帰るの!?」なんて会話があったもんだから、

なんでこんなバッグ欲しがるんだ?と色々調べてみたら実はなんとグッチのバッグなのであった。

実勢流通価格はここでは言えません・・・でもビックリしました。

だけどそのバックは私の中では『現場用木杭袋』扱いでしたから空港や駅のホームで地面に置いて

ズルズル足で引きずったり・・・この時も部屋の片隅でクッションがわりに使っていたのであった。

家に帰って妻に説明しても「へぇ〜グッチなの」で終わりですし・・(でもちょっと惚れ直した)

しかしこの時にブランドバックと気付かなければ確実に『測量現場用木杭入れ』になっていた

わけでして・・・頂いてすぐにバッグに木杭を入れて「いゃ〜木杭も入るし丈夫で便利ですね」

という事態にだけはならなくてよかった・・・(汗)しかしモノを知らないってのは罪ですね。

というわけで現場での貰い物『豚に真珠』事件でした。

まっ長くこの仕事をやってますと、こんな珍事もあるんですね。

でも『ブランド』って今回の珍事のように、ブランド名は後から来るべきものではないでしょうかね・・・

つまり最初に「頑丈でとてもカッコいいバック見つけたよ」という事実が存在するのが先で、
                 ↓
その次に「へぇ〜それってどこのバッグ?」となって・・・
                 ↓
最後に「これグッチっていうメーカーみたいよ」とブランド名は後から出るぺきじゃないのだろうか・・・

と思ったりもするのですがね。







■その10 やっぱり、現場でコイツが許せない!PART2


以前このコーナーで『現場でコイツが許せない』というのをご紹介しました。

私が現場で許せないものとは『ヘビ』『ゲリ』で前回は蛇(へび)をご紹介しましたので、今回は

下痢(ゲリ)の方についてです・・・

はいっ!ここまで読んでこのあとの展開で嫌な予感がする方はこれ以上読むのはやめましょう・・・

ごきげんよう・・・・・さようならぁ







 さて・・・もう途中下車の方はいませんね・・・・それでは話を続けさせていただきます。

ちょうどこの梅雨時というのは食べ物が痛みやすい時期ですよね。

あの『事件』はちょうど今のような梅雨時、23区内で50坪程度の境界確定測量の最初の打合せで

今後の作業手順やら注意事項を依頼者の自宅で説明していた時に起きたのであった。

突然私を猛烈な腹痛が襲ったのである!(痛テテッ・・・一体何が『ヒット!』したんだこりゃあ?)

本当に急な下痢って許せませんよね、下痢だけに・・・ゲリラのようだ・・・さぶっ・・・

ゲリにも2タイプあって、前日の飲みすぎ等による消化不良系と食あたりによるヒット系!つまり

食中毒系です。どちらも苦しいのですが消化不良系は前日の食べた物の質と量から、痛み出す前

に、ある程度予兆があるものですが『ヒット系』は予兆もへったくれもない。
(だから『ヒット!』なんですけれど)

この時私を襲った下痢はまさしく予測不能の『ヒット系』であった。

 私は普段は依頼者のお手洗いは極力お借りしないようにしていますが、この時ばかりは仕方がなく

「あの〜すいません、おトイレを貸していただけませんか?」とお願いをしたところ、私が一生忘れない

衝撃的な質問をされたのであった・・・それは・・・




「村岡さん大便ですか?」




(ええっ!いっ・・・今何とおっしゃいました?)私が答えに窮していると、

「我家のトイレはロール台がありませんのでトイレットペーパーはその都度持っていくものですから」





でっ・・・大便ですよね?






(だっ・・・だからそんな何度も恥ずかしい事、質問しないで!
              ・・・っていうか私の顔色見ればわかるでしょっ!汗・汗・汗!)





 私も成人して今日まで他人様から『あなたは今から大便しようとしていますね?』

なんて類の質問はされた事がない!一瞬、恥ずかしいからこのまま我慢をしてしまおうかと思った

次の瞬間!ギュルルルル・・・とお腹が悲鳴をあげた!いっ・・イカーン!もっ・・もう1分ともたない

ウルトラマンのカラータイマーならピコン・ピコン・ピコンと狂ったように鳴り響びき、脂汗が吹き出し、

大腿括約筋もヒクヒクと痙攣をはじめた・・・(あと30秒が限界!)事ココに至っては私には選択肢は

残されていなかった・・・私はついに歪んだ顔で返事をした

『はい・・』 と、すぐさまサッとトイレットペーパーを受取りトイレへ・・・

トイレットペーパーをもってピグモンのように歩いた図


このトイレットペーパー片手に持ち内股で廊下を歩いていくミジメさったらない・・・

あー恥ずかしい・・・


本当に現場で突然のヒット系下痢は許せない!



測量士の修行中の頃は山岳部での基準点測量とか、河川の水準測量なんかの現場で


『キジ撃ち』




なんて恥ずかしい経験は何度がありましたが、まさか土地家屋調査士でもこんな目にあうなんて・・・

だけど普通トイレットペーパーぐらい置いておくよなぁ・・・

それ以後この時期はコレ↓↓↓↓出かける時は忘れずに!私にとってはアメックスより大事な、必須アイテムです。

急下痢にはストッパとかいてある薬の箱


余談ですけど、この現場の境界立会いは大荒れでしたね。なんと申しましょうか・・・

ウンの尽きって言うんでしょうか(笑)

小泉元首相が安倍内閣発足当初、安倍総理に『鈍感力を持て』とか言われて、鈍感である事が良い

ような風潮があるけれど、私はまったく承服できませんなぁ。

 あの苦痛に歪んだ顔での究極のQ&Aをされた時点で依頼者の性格に気付くべきでしたね。

「鈍感というのは救いようがない、本人が気付かなくては伸ばしてあげたくても伸ばしようがない」

これは現『楽天』監督の野村克也氏の弁だが、まったくそう思いますね。

えっ!?こんな恥さらしな事ホームページ公開しているお前の方がよっぽど鈍感だろですって?

ウンそうかもしれない・・・おあとがよろしいようで

なお、今回の『おも現』は期間限定公開になる可能あり・・・内容からして・・・ねぇ・・・


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